コーポレートブランディング 外側と内側から浸透させるロイヤリティの向上

コーポレートブランディングとは、信頼感を作ること

ブランドを作る

コーポレートブランディングとは、企業が発信する情報や体験に一貫性を持たせることで、ステークホルダーの認知や記憶の中に特定の印象を形成し、選ばれやすい状態をつくる戦略です。

『ブランディング』によって選ばれやすくなる

人は何かを選ぶとき、過去の記憶や印象をもとに判断しています。

たとえば「牛丼が食べたい」と思ったときに、これまでに利用したことのある店や、よく目にする店を思い浮かべることがあります。

そこで思い浮かんだ店が選択の候補になります。選択肢の中にでてこなければ、その店が選ばれることはありません。

このように、思い出され、選ばれる体験が繰り返されることで、徐々に「知っている」「なんとなく好き」という感覚が生まれ、信頼感につながっていきます。

人は直感で選び、あとから理由をつける

人はすべての選択をじっくり比較して決めているわけではありません。

多くの場合、「知っている」「見たことがある」「なんとなく良さそう」といった直感的な判断によって、最初の候補が決まります。

そのうえで、価格や機能などを比較しながら、最終的な意思決定を行っています。

これは、ダニエル・カーネマンが提唱した「デュアルプロセス理論」で説明されており、人間の思考は次の2つに分かれるとされています。

  • システム1:直感的・無意識・高速(好き/安心/なんとなく良い)
  • システム2:論理的・意識的・低速(比較検討・分析)

多くの購買や意思決定は、まずシステム1によって方向づけられ、その後システム2で理由づけされる傾向があります。

つまり、企業が選ばれるかどうかは、論理的な比較以前に「なんとなく良さそう」「信頼できそう」という直感的な判断に大きく影響されています。

コーポレートブランディングはマーケティング活動の土台

企業のマーケティング戦略は、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、 Promotion(販促)といったマーケティングミックス(4P)を組み合わせて、商品やサービスを届けていきます。

しかし、どれだけ製品や価格、販促を整えても、企業そのものに対する印象が弱ければ、顧客の選択肢に入りにくくなります。

つまりブランディングは、マーケティング施策の前段階で、企業や商品が候補に入りやすい状態を作る活動です。

ブランディングによって、「知っている企業」という関係性が先にできることで、同じ広告や情報でも受け取られ方が変わり、結果として選ばれやすくなります。

ブランディングには種類がある

ブランド戦略

ブランディングは、対象や活動の方向によって大きく「社外」と「社内」に分けることができます。

アウターブランディングとは?

アウターブランディングは、社外に向けて行うブランディング活動です。

企業や商品に関する情報や体験に一貫性を持たせることで、顧客の認知や記憶に印象を残し、思い出されやすい状態を作ります。

アウターブランディングで成功すると、比較検討の場に候補として挙がりやすくなり、選ばれる確率が高まります。

インナーブランディングとは?

インナーブランディングは、社内に向けて行うブランディング活動です。

企業のミッションや価値観を共有するだけでなく、従業員の判断や行動基準を揃えることで、顧客に提供される体験の質を安定させることを目的とします。

これにより、企業としての印象が安定し、ブランドの信頼性が高まります。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)

企業ブランディングは、商品単体ではなく、企業そのものをブランディングすることです。

社会や顧客、従業員、株主などのステークホルダーに対して、安心して選ばれる企業になることを目的とします。

優れたブランドイメージは、商品やサービスの販売のみならず、優秀な人材の採用など、人が集まる環境づくりにもつながります。

ブランディングによって起きる変化

認知 → 検討 → 購入

企業がコーポレートブランディングに取り組むことで、次のような変化が起こります。

営業・販促の効率が上がる

すでに知っている企業として認識されると、初めて聞いた企業よりも、相手から警戒されにくくなります。

そのため、広告や営業の情報が受け取られやすくなります。

ただし、すでにネガティブな印象を持たれている場合は、認知されること自体が不利に働くこともあります。

価格以外の理由で選ばれやすくなる

機能や価格だけで比較されると、競争は厳しくなります。

しかし、企業に対する信頼感や期待があると、提供される品質や安全性に対して安心感を持たれており、選ばれる理由になります。

採用や協業にも良い影響が出る

企業としての印象が安定していると、求職者や取引先からも安心して関われる企業として認識されやすくなります。

その結果、人材採用やパートナー選定においても選ばれやすくなります。

コーポレートブランディングに取り組む企業の事例

かじられたリンゴで有名なIT企業

コーポレートブランディングの成功例を海外・国内のそれぞれで見てみましょう。

海外ブランド(Apple)

Apple社のiPhoneは、今や世界中で利用されており、日本においては過半数のシェアを占めていますが、1997年に創業者のスティーブ・ジョブスが復帰したときは倒産寸前でした。

それを救ったのが、有名な「Think Different」キャンペーンで、Apple社の存在理由は「情熱を燃やす人は、世界をより良い方向へ導く」と信じ、世界を変えられると本気で信じている人を讃えるという内容でした。

Apple社は創造性や革新性を重視する企業であることを打ち出し、ユーザーの中に「Apple=クリエイティブ」という認識を定着させました。

この約束で事業のあり方を明示したことにより、キャンペーンを超えたブランドの方向付けとなり、今やApple社は世界一の座を獲得しています。

国内ブランド(ユニクロ)

「ユニクロ」ブランドで有名なファーストリテイリングが掲げたミッションは、下記の通りです。

「本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」

このミッションに基づいて、「LIFE WARE:究極の普段着」という「ユニクロ」のコンセプトを打ち出し、シンプルかつ高品質な商品をリーズナブルな価格で提供しています。

年齢・性別や人種を超えた幅広いユーザーをとらえ、個性を抑えた汎用性の高い衣料は、まさに「究極の普段着」としてユニクロの赤いロゴマークと共に定着しています。

コーポレートブランディングに必要な3つの要素

選択肢の候補に入る

ブランディングは概念的な話になりやすいですが、人間の認知の仕組みにしたがって考える必要があります。

認識されるためのパターンをつくる

人は最初に接触した情報をもとに、その対象を判断します。

ロゴや色、デザイン、言葉の使い方、接客態度などがバラバラだと、それぞれが別のものとして処理されてしまい、イメージが統一されません。

記憶に残りやすいブランドにするには、接客やサービス体験も含めて、どこで接触しても同じものとして認識される状態を作ることが重要です。

記憶されるように繰り返し接触する

人は、一度接触しただけでは、情報はほとんど記憶に残りません。

そのため、コーポレートブランディングを促進するためには、同じ内容に何度も触れてもらう機会を作る必要があります。

例えば、同じ会社で働く人であっても、顔と名前が一致した状態にするためには、毎日顔を合わせることが必要です。

テレビCMなどで耳にするキャッチコピーやサウンドロゴも同じパターンを何度も繰り返すことで、記憶に残る仕組みを使っています。

思い出される状態を維持する

最初の話にもありましたが、企業ブランディングは「思い出してもらい、選ばれやすい状況をつくること」が目的です。

人は常に何かを考えているわけではなく、必要な状況になったときに記憶を引き出します。

そのため、思い出した際に「こういう選択肢があったな」と、候補に残る印象を維持しておくことが大切です。

時代や事業の変化に合わせて見せ方や内容を調整しながら、顧客の選択肢の中に入る印象を発信し続けましょう。

参考サイト:効果的な交通広告プランニングに欠かせないデータ活用術とメディア選定のコツを徹底解説! | メトロアドエージェンシー