SNS活用 - マーケティング手法を知ってお店や企業の宣伝に役立てる方法

SNSのはじまり

さまざまなSNS

SNSが登場したのは2000年代の始め頃で、約20年の月日が流れた現在では、友人・知人とのコミュニケーションを取る手段だけでなく、情報収集という目的で使う利用者が多くの割合を占めており、宣伝や集客においても重要な地位を占めるようになってきました。

SNSが流行りだした時期

SNSが流行り出した時期は国によって異なりますが、一般的に2000年代の始め頃だと言われています。

国内においてもその頃からmixi(ミクシィ)が流行り始め、様々な分野においてネット上での交流が人気を呼びました。

現在の主要なSNS

現在の主要なSNSとしては、Facebook、Instagram、Twitter、Youtube、TikTokといったものが挙げられ、下表の通り若年層から熟年層までの様々な年齢層で多くの人々に利用されています。

創設者や経営者層を見てみると、全てのメンバーが世界のトップレベルの富裕層にランクインしています。SNSはそれほど影響力が大きく、強力なプラットフォームであることがわかります。

各主要SNSの特徴
SNS開始時期アクティブユーザー数
(日本国内)
主な利用者層
Facebook2004年2月2,600万人30~60代。ローカルや実際の知人とのつながりが多い。創設者はマーク・ザッカーバーグ。WhatsAppなどの子会社を持つ。
Instagram2010年10月3,300万人10~30代。リアル店舗やECサイトとの相性が良く、Instagramマーケティングは集客の上で効果が高いとされている。Meta(旧:Facebook)が所有するサービスのうちの1つ。
Twitter2006年3月5,895万人10~40代。比較的若い世代に利用者が多く、人事やコンサル、士業などのユーザーの利用者も多い。また匿名アカウントも多く、個人の特定がされづらい特徴も持つ。
Youtube2005年2月7,000万人10~50代。世代に関係なく、1日約4,500万人が利用している大型プラットフォーム。TVの代わりとして、芸能人やインフルエンサーも個々にチャネルを開設し、チャネルが多く存在しているため人気が高い。
TikTok2016年9月1,700万人10~20代。日本国内では、あまりメジャーではないが、海外では非常に人気が高いプラットフォーム。Youtubeにもショート動画があるように、中毒性が高い傾向にある。

自社のサービスや商品に合わせたSNSを絞り込む

近年ではすっかり日常生活に浸透したSNSですが、自社のサービスや商品の認知を広げるツールとして利用するには、ユーザーの嗜好とSNSの特徴を結びつけていく必要があります。

ターゲットに合わせてSNSを活用する

販売したい商品を買ってくれるユーザー(ペルソナ)を絞り込む

最初に、自社の商品やサービスに関連するユーザーのデータや傾向を調べ、ターゲットとなるユーザーを洗い出すことが大切です。

その手段として例えば、市場調査やアンケート、インタビューを行ったり、既存の顧客データや、もしあれば口コミを分析したりします。

B2Cの形態であれば、年齢層や嗜好、ライフスタイルなどを分析して、下記のようなターゲットユーザーのプロファイルを作成し、詳細な情報にもとづいてペルソナを絞り込んでいきます。

  • ペルソナの名前(象徴的なものにする)
  • 年齢・職業・家族構成・趣味などの基本情報
  • ペルソナが抱える課題やニーズ
  • ペルソナが目指す理想像や目標

B2Bの形態の場合は、下記のようなポイントで法人ペルソナを絞り込めばいいでしょう。法人ペルソナとは、自社の商品やサービスを購入する企業担当者のことで、重要なターゲットとなります。

  • 法人ペルソナのニックネーム(象徴的なものにする)
  • 業種・事業内容・役職・所属歴などの基本情報
  • 担当事業が抱える課題やニーズ
  • 担当事業が目指す成果や目標

この作業により、ユーザー視点を持つことが可能になるのです。

ユーザー(ペルソナ)がよく利用しているSNSを探す

設定したペルソナが利用しているSNSは複数であることが多いですが、その中で商品やサービスの購入のための情報源としてよく利用しているSNSを探して特定します。

その方法としては、前述のペルソナを絞り込む段階での、アンケートやインタビューを活用するのが一番確実です。

そういった方法を取るのが難しい場合は、ウェブ解析ツールを利用して自社サイトへの流入経路や訪問者の属性などを分析します。それにより、どのSNSから来ているかや、どんなSNSを見ているかなどの把握が可能です。

また、競合他社のSNS活動を調査して参考とするのもいいでしょう。

SNSの特性ごとに、情報発信方法を考える(プロフィール設定、投稿内容、誘導先)

ペルソナ設定によりSNSの絞り込みができれば、SNSの特性に合わせたプロフィールの設定と投稿で情報発信を行い、自社のホームページや準備したサイトへ誘導します。

投稿の際は、TwitteやFacebookであればテキスト(文字)、YoutubeやTikTokであれば動画、Instagramであれば写真や画像といったように、各SNSの特性に合った方法で効果的に行うことが非常に重要です。

SNS上のターゲットをもっと深く理解する

ユーザーとのコミュニケーション

SNS上での情報発信を効果的に行うには、設定したペルソナを元にターゲットを深く理解していくことが大切です。

普段、ターゲットユーザーは何を好んでいるのかを知る

SNS内のターゲットユーザーの嗜好を知るには、SNSで準備されている分析ツールを採用する方法があります。

例えば、「Facebook Insights」や「Twitter Analytics」、「Instagram Insights」といったものがあり、これらのツールを利用してターゲットユーザーの嗜好や関心を把握することが可能です。

PRばかりでなく、親しみやすさや、共感性を持ってもらうことが大事

SNS上で自社の公式アカウントを作成しPRを積極的に行う方法も、ターゲットユーザーに刺さることもありますが、逆に警戒心を持たれる可能性もあります。

そういったケースに備えて、公式アカウントとは別に社員によるスタッフアカウントを個人で担当してもらい、公式アカウントと連動させるような工夫が役に立ちます。

SNS利用者は人とのつながりを求めているケースがほとんどなので、企業の公式アカウントよりもスタッフの個人的なアカウントの方が、親しみを持たれやすい傾向があります。この特性を利用して共感性を得ることが、真に効果的なPRとなるのです。

SNSは「コミュニケーションツール」になるため、相手の投稿にもリアクションをする

SNSにおいては、コミュニケーションが最も重要な要素ですので、公式アカウントにおいてもスタッフアカウントにおいても、相手の投稿に好意的なリアクションを素早く返すことが非常に重要です。

この場合、もちろんスタッフアカウントのリアクションが効果的ですが、公式アカウントから社員のスタッフ色を出して反応すると、ターゲットユーザーへのインパクトがより大きいものとなります。

SNSでフォロワーを増やした先のゴール設計について

SNSの出口戦略

SNSでの集客ではフォロワー数は大きな力を持ちます。フォロワー数は、SNS上での影響力や認知度を示す指標となるため、ゴールとして設定することが有効な手段となります。

ゴール(出口)は何か?をよく考える(問い合わせ?商品購入?セミナー集客?)

フォロワー数のゴール設定においては、その目的を考えることが大切です。

目的には、「ブランド認知度の向上」「問い合わせ件数」「商品購入」「セミナー集客」など様々ありますが、それらの目的によってゴールとするフォロワー数も異なります。

例えばブランド認知度を向上させるためのフォロワー数のゴールは、数千人から数万人程度が一般的ですが、セミナー集客であれば講座内容に興味を持ってくれる濃いフォロワーでいいので、数百人から数千人もいれば十分でしょう。

販売する対象となる商品の、効果や反響、セール情報などをPRする

ゴールとなるフォロワー数の目的が「商品購入」である場合は、対象商品の効果やフォロワーからの良い反響、セールスに関するお得な情報などをPRすることによってフォロワーが増える効果があります。

SNSにおけるフォロワーには、ユーザーの友人・知人が多いという特徴があるので、フォロワーからの支援や反響は、成功に向けて大きな影響力をもたらす傾向があります。

例えばTwitterのリツイートなどは、時には爆発的な効果を生むことがありますので、ターゲットによってはかなり有効な手段です。

実際に売りたい商品やサービスを検討してもらうための試供品のようなサービスがあると入口になりやすい

SNSのフォロワーを増やすには、どのような目的でも商品やサービス内容を示すことができるサンプルや試供品などがあれば効果的です。

無料であればたとえ商品やサービスの一部であったり訴求力の薄い内容のものでも、関心のあるユーザー層は反応するため、新規顧客データを得ることが期待できます。

SNSを活用するための注意点

やってはいけない行動

SNSの活用は、テレビの広告やチラシよりも大きな力を持つようになってきましたが、活用方法を間違えると逆に効果が半減したり、最悪の場合、炎上による危機に陥ることもあるので注意が必要です。

SNSは広告とは違うため、見たくない人にしつこくPRすると嫌われる

SNSで情報収集している個人や企業担当者が多いとはいえ、関心のない情報をしつこく発信すると逆効果となる場合があります。

無差別にDMを送信したり、コメント欄に自社商品やサービスを強制的にアピールすることは、フォロワーから嫌われる原因となりますので、相手の気持ちに配慮したマナーの良いSNSの活用を心掛けましょう。

アグレッシブな表現やセンシティブな情報を発信する際は、炎上にも気を付ける

時折、悪いニュースとなるような事例もある通り、SNSでの炎上は決して望ましいことではありません。

積極的な情報発信においては、各媒体で多くの人が見ているため、攻撃的な言葉や相手を傷つけるような言動には気を配るべきです。

また、偽りや差別的な表現、不適切な画像や動画も炎上の原因となりますので、細心の注意を払って情報発信を行いましょう。

SNSを運用してより効果的に活用するには?

SNSの有効活用

見てきたようにSNSの活用は、使い方によってはテレビやメディアの広告よりも低予算で大きな結果を生み出す可能性がありますので、最後に、SNS運用をより効果的に活用する方法を紹介します。

PRするものを明確にする

SNSでは、ターゲットするペルソナに向けて提供する商品やサービスの特徴やメリットを明確にすることが大切です。

どのような価値を提供できるか、他社との違いは何かを、具体的な数字やデータを示すことで、自社の商品やサービスの魅力をアピールすることができます。

また、SNSの人と人の繋がりに重点を置く特徴を活かして、商品やサービスを利用したユーザーの体験談やレビューを共有すると、信頼感を高めることができて効果的です。

ウェブサイトをしっかり用意して導線にする

SNS利用の最終的な目標達成のためには、ターゲットユーザーをSNSから自社のウェブサイトや、商品やサービスを販売するLP(ランディングページ)へ誘導する必要があります。

自社ブランドの認知度向上や商品・サービスの販売など、SNS活用の目的は様々ですが、ホームページやLPは成果を最終的に決める重要な場所なので、しっかりと企画しておきましょう。

日々の運用データを蓄積して、解析し対策していく(より高度な運用)

SNSの効果的な活用では、目的に応じて蓄積したデータの解析をもとに、問題があれば対策することが非常に重要です。

そのための手法として、SNSで利用できる下記のような指数がありますので、より高度な運用をするためにも、利用していきましょう。

  • アウェアネス:リーチやインプレッション

    SNS内で自分のコンテンツやブランドが、どれだけ注目されているかを示す数値。
  • エンゲージメント:いいねやコメントやシェアなど

    SNS内で自分の配信したコンテンツに対して、どれだけ反応があるかを示す数値。
  • コンバージョン:クリック率やCPA(コストパーアクション)など

    SNSから自分のウェブサイトやオンラインストアなどに誘導された人が、どれだけ購入や登録などの行動をとったかを示す数値。
  • ロイヤルティ:フォロワー数や再訪問率など

    SNS内で自分のブランドに対して、どれだけ忠誠心があるかを示す数値。例えば、フォロワー数や再訪問率など。