ウェブサイト制作後の運用・改善の進め方
納品後の確認作業、公開後のSEO対策・アクセス解析について

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ウェブサイト納品後の流れ

アクセス解析ツール

ウェブサイトが完成し、納品された後も適切な運用を続けることが大切です。

納品後の流れを把握して、スムーズな運用を行うためのポイントを確認しましょう。

納品物の確認作業

ウェブサイトの公開前にテストサイト(またはステージング環境)の確認作業が発生します。

レイアウトやデザイン、リンクやフォームの動作など、ウェブサイト全体の品質をチェックし、問題がないかどうかを確認します。

不具合が見つかった際は、制作元の業者に連絡し、公開前にしっかり修正をしておきます。(特にライティングや価格表などは間違いがないか念入りに見ておきましょう)

ウェブサイトは公開直後にすぐアクセス数が増えるわけではありません。情報量を増やしながら、マーケティングと併用して運用を行う必要があります。

担当者による定期更新作業

ウェブサイトを公開したら、定期的な更新作業が必要になります。更新作業は、新しい情報(お知らせやプレスリリース)の配信、製品情報の更新やブログ記事の投稿などが中心です。

また、アクセス解析を実施し、改善が必要なページを洗い出し、見直しを行ったり、SNSと連動している場合は、SNSの運用を行う作業も発生します。

そのため、運用にたずさわる担当者は一定の作業時間を確保する必要があります。

ウェブサイト運用を行うことによって、ユーザーとのコミュニケーション回数も増えるため、カスタマーサポートなどの対応が必要になります。

お問い合わせが来たときに見逃してしまったり、回答ができないなどの自体にならないよう、対応できる体制を整えておくことも大切です。

SEO対策を意識して作業する

キーワードによるSEO対策

SEO対策はSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の作業で、ユーザーが検索エンジンを使って情報収集する際に、特定のキーワードで結果の上位に表示されるための施策をいいます。

国内の検索エンジンでは主にGoogleのシェア率が90%以上になるため、Googleに自社のウェブサイトが登録され、サイトテーマとマッチしたキーワード検索によるアクセスがあるかどうかは、ウェブサイトにとって重要です。

ロングテールキーワード対策

ロングテールキーワードとは、より具体的で長いキーワードフレーズのことを指します。一般的なキーワードよりも競争が低く、特定のニーズや検索意図に合致したユーザーをターゲットにすることができます。例えば、「東京のベジタリアンレストラン」や「初心者向けのヨガポーズ」などがロングテールキーワードの例です。

ロングテールキーワードを意識してコンテンツを作成すると、同じキーワードでコンテンツを用意しているページが少ない可能性が高く、競争に巻き込まれない確立も高まります。

また、意図するターゲットユーザーに向けて情報発信しやすくなるため、ユーザーが訪問した際にマッチングしやすくなります。ユーザーの評価が高まることで、閲覧者数の獲得にもつながり、ウェブサイト全体の評価にもつながります。

ビッグキーワード対策

ビッグキーワードとは、多くの競合他社がターゲットとする一般的なキーワードのことを指します。例えば、「旅行」「ファッション」「ダイエット」といったキーワードがビッグキーワードの例です。

ビッグキーワード対策は「大分類」によるキーワード対策で、このキーワードで上位表示されたからといって、狙いどおりのターゲットが必ずしも訪問してくれるとは限りません。

「旅行」というキーワードでもし検索結果1位を獲得ても「旅行に行きたい」「旅行に関する情報を集めている」「旅行会社に営業をかけたい」など、探す意図はユーザーによって異なります。

また、ビッグキーワードは競合も多いため、ロングテールキーワード対策を行った上で、ビッグキーワードにも影響するコンテンツの作成を心がけるなど、長期的な目線が必要になります。

SNSを活用する

ウェブサイトを運用する上で、SNSを活用することもサイトへのアクセス数を増やすために役にたちます。SNSは無料で使うことができますが、各SNSごとに特徴があり、ユーザーに合わせた情報を配信して、自社のサイトやコンテンツにアクセスしてもらうようにすると効果的です。

イベントやニュース、ブログ更新、おすすめなど、ユーザーにとって役に立ち、拡散性が高い情報を配信することで、一時的に多くのアクセス数を獲得できる可能性もあります。

また、ハッシュタグを活用して、投稿にタグ付けをしておくと、SNS内で特定キーワードで検索された際に検索結果に表示されやすくなります。

アクセス解析を活用する

アクセス解析ツール

アクセス解析を行うと、ウェブサイトへの訪問者がどのような行動をとったかやアクセス元(参照元)の情報を分析し、改善点や成功理由を把握するために役立てることができます。

一般的に導入されているアクセス解析ツールはGoogle Analyticsです。Google Analyticsは、訪問者の数やページビュー、滞在時間、参照元、キーワードなどの情報を収集し、可視化してくれます。

Google Analyticsを利用するには、ページのHTMLに指定されたjavascriptを埋め込む必要があります。(javascriptはGoogle Analyticsの設定ページからコードをコピーします)

アクセス解析ツールの使い方

それぞれの項目をチェックすることで、ウェブサイトがどのように利用されているのかを知ることができます。

  • ユーザー数とセッション数

    アクセス数は時間ごとに確認することができます。1日のうち何時から何時までがアクセス数が多い、曜日ごとの違い、月末・月初のかたよりなど、統計的な情報を知ることができます。ユーザーの訪問時間によって、ユーザーがどのような目的でサイトを訪問しているのかを予測しながら、ターゲットに向けた情報発信をすると改善に役にたちます。

  • ページビューと滞在時間

    ページビューは、アクセスしたユーザーがそのページを閲覧した回数のことです。また、そのページにどのくらい滞在していたかも知ることができます。ユーザーが多く訪問し、長時間滞在するページは人気があるので、ユーザーにとってさらに使いやすくしたり、そこから導線をはって、問い合わせにつなげるようにするなどの施策を検討することもできます。

  • 参照元とキーワード

    参照元は訪問者がウェブサイトにアクセスする前のサイトや検索エンジンのことで、キーワードは検索エンジンで使用された検索語句です。これによって、ウェブサイトへの流入を増やす、主要な参照元や検索キーワードを把握できます。参照元がSNSが多い場合、流入元になっているSNSの運用を強化するなど、アクセス数を増やすための運用方針を策定できます。

  • ユーザー行動分析

    GoogleAnalyticsを使うと、ユーザーが訪問した1ページ目、2ページ目、3ページ目など、行動履歴を追うことができます。これによって、最後に訪問したページがどこだったか(なぜ離脱したのか?)、欲しかった情報が用意できていたか?などの分析を行うことができます。

ウェブサイトの機能を拡張する

機能拡張

ウェブサイトの運用を行うことによって、「こういった機能があればもっと便利になる」「お問い合わせを増やすための仕掛けを増やしたい」などの要望が発生する場合があります。

また、利用者からの声やアンケートを行い、改善してほしいポイントのフィードバックを得ることで、よりどのようにすれば利用者の満足度につながるかを知ることもできます。

機能の拡張を行う際は、ウェブサイトの仕様に合わせて導入を行う必要があります。WixやJimdoのようなサイトビルダー製のものの場合、機能が制限されることが多いですが、WordpressなどのCMSであれば、プラグインを導入して機能追加できることがあります。

自社で開発したオリジナルのウェブサイトの場合、作り方によって拡張の方法が異なるため、サイト設計者に問い合わせて相談する必要があります。

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